物件種別で見る
査定基準と特徴

指を立てるビジネスマン

マンション・戸建ての売り時はいつ?異なる査定基準&特徴

マンションや戸建て、投資用物件、土地のみなど、不動産には様々な種別があります。物件の種類によって「査定方法や金額」「売り方やタイミング」「リンク」が異なりますので、特徴や違いを予め確認しておくことをおすすめいたします。

青空が広がる街並み

不動産査定を物件別に見る

手をあげて案内する女性ビジネスマンの写真

エリアの平米単価相場を基準に価格を算定するという点は全ての物件に共通しておりますが、物件の種類やその他の条件によってそこから加減点が行われます。

中には必要以上に減点を取り、出来る限り安く買いたたこうとする悪徳業者も存在しておりますので、物件ごとの特徴については知っておいても損はありません。

物件の種類によって査定基準やリセールバリューは大きく異なるため、これから不動産の売却を検討している方は自分の物件の特徴を理解することから始めてみましょう。

当ページでは「物件種別によって変わる査定基準及びリセールバリュー」をテーマに分かりやすくご紹介してまいります。

一戸建てを高く売るには

青い空と立派な一戸建ての住居写真

取引量が多く最もポピュラーな物件と言っても過言ではありませんが、細かい環境や条件は無数のパターンがあり、その査定基準は意外にも複雑です。

また、建物の査定額は業者によって評価が変わりやすいという特徴があり、築年数や建築時の施工価格だけではなく、建売か注文住宅・施工会社(ハウスメーカー)や外壁や水回りのリフォーム状況によっても査定基準やリセールバリューが変動します。

一戸建ては経過年数が査定の大きな肝となり、特に木造住宅の建物は経年数による価値の下落幅がさらに顕著となります。

一戸建てにおける基本的な査定

タブレットを使用するビジネスマンの写真

土地については

  • 地価公示
  • 都道府県地価調査
  • 路線価(相続税評価額)
  • 固定資産税評価額
  • 実勢価格

などを参考に査定額を算出します。

そのため、イメージと大きな差は生まれ辛く、不当に安く売ってしまうという心配は比較的少ないでしょう。

建物に関しては「固定資産税評価額」「実績価格」などに加え、前述した通り家屋の構造や設備、ハウスメーカー、劣化状況等を総合して判断します。

なお、一戸建ての90%以上が木造建築(耐用年数22年)のため、築年数1年あたりの影響はマンションよりも大きいと言えるでしょう。

実勢価格はレインズを参考

パソコンを扱う成人男性の写真

レインズとは、実際に行われた不動産取引の価格情報が閲覧できるサービスです。

個人を含めて誰でも気軽に閲覧することができ、実際の取引金額を知る上では最も参考になるサービスと言えます。(レインズ公式サイトはこちら)

直接買取の場合、不動産を手に入れた業者は再販によって利益を得なければなりませんので、路線価や築年数よりも近隣の取引価格がより重要視されています。

また、家屋の状態によってはリフォームしてから売りに出したり、更地にしてから土地として販売したりと、より高値で売れやすい方法を考えた上で価格を算定します。

どのように売るのかについては不動産会社によって異なりますので、複数社に依頼した方がより実勢価格に近い査定額を出せるでしょう。

一戸建てのリセールバリュー

当然ですが、建物の価値は築年数が浅いほど高くなります。

建物の傷みが少ないだけではなく、近年は断熱材や浴室・サイディング(外壁)と性能自体が向上しているため、一般的に古い家より新しい家の方が耐久性に優れている・使いやすい・生活が快適と言えるためです。

キッチンとテーブルが揃う内観写真

また「家をどのようにして購入したのか」という点も考慮されます。

例えば、注文住宅は間取りが特殊で有ったり、デザインが個性的であったりすることが多いため、リセールバリューは建売販売(物件を建てた上で販売する方法)よりも低くなりやすいと言えます。(建売販売の方がオーソドックスな間取りや装備を採用しているため)

ただし、注文住宅でもセンスが良くて人気がある・大手ハウスメーカーによる施工などであれば高額査定となる場合があります。

特に比較的家が大きく、軽量鉄筋構造を採用している家屋は築20〜30年経過していても高額査定がでやすいです。

もちろん、他の物件と同様に主要都市の駅チカの好立地物件は需要が高いため、家が古い・修繕が必要等であっても、価値が大きく下がることはありません。

逆に建物が新しい・高級ハウスメーカー施工などであっても、郊外の不便な立地の場合は評価が低くなります。

このように一戸建て住宅の査定は不動産会社によって査定方法や評価基準が異なります。

失敗しないためにも、不動産一括査定を活用して多くの不動産会社から見解や評価を聞き比べてみると良いでしょう。

手を組み話すビジネスマンのイラスト

マンションの売り時はいつ?

緑とマンションの外観写真

マンションは不動産物件の中でも特にリセールバリューが高く、駅前の好立地物件の中には購入価格以上の高値が付き、売却益が発生するケースも珍しくありません。

しかしながら、マンションであれば高値が付くという訳ではなく、なかには減点材料が多く近隣マンションの相場より大幅に低くなってしまうこともある点に注意が必要です。

また、マンションでは室内の状態がより重視される傾向にあり、劣化が激しいと販売価格が大きく下がる恐れも否定できず、場合によってはリフォームをしてから売った方が手取り額は上がる可能性もあります。

そのほか、修繕積立金や管理費・階数や賃貸物件としての需要も評価ポイントの一つです。

事項以下ではマンション売却に役立つ基礎知識をご紹介してまいりますので、是非ご参考ください。

流動的な市場のマンション

水まわりを点検する人の写真

物件にもよりますが、前述した通りマンションは一般的に戸建てよりもリセールバリューが高い傾向にある上、売らずに「賃貸に出す」という選択肢もあります。

戸建住宅に比べて経年数による建物価値の下落は少ないものの、水回りや室内状況に修繕が必要な状態であれば相応の減点を受けてしまいます。

そのため、リフォームしてから販売するというケースも多く、不動産会社により直接買い取り→不動産会社による販売というスキームが特に多い事例です。

なお、立地が良い築15年以内のマンションであれば、室内をフルリフォームして売りに出せば購入時に近い価格で売れる可能性も十分にありますので、売却時の選択肢も多い物件種別と言えるでしょう。

一方で、マンションには以下の通り注意点・デメリットがあります。

低層階は査定額が低くなりやすい

大都市のタワーマンションは高層階の方が高人気で、同じ建物で同じ間取りでも取引価格に大きな差が出る場合があります。

特にエレベーターが無い建物の4階や5階・1階に飲食店が入っている・大通り沿いの2階や3階はより査定額を低く見積もられる可能性があるのでご注意ください。

なお、マンションの場合は管理費・修繕積立金も売却価格に大きく影響します。

それぞれマンション維持には必要なコストであり、管理費がない又は安い物件で共用スペースの掃除が行き届いていない、もしくは管理費が高すぎる場合は査定が低くなりやすいです。

以前は路線価による評価が階層によっては変わらないという特性があったため、相続税対策として多く用いられてきました。

2018年の省令改正によって階層による補正が加わったため、以前のような節税効果は得られなくなっています。

考えるビジネスマンのイラスト
修繕積立金は購入者にメリット

修繕積立金は購入者側にメリットがあります。

今まで前オーナーが積み立ててくれたお金を使って共有スペースが綺麗になる(建て替えや大規模修繕など)のですから、積立額が大きければ大きいほどプラスの要素です。

一方で、築年数が古いのに相場より修繕積立金が少ない場合、実際の建て替えや大規模修繕が出来ない又はマンション所有者たちで費用を出し合わなければならないため、購入者の不安材料となってしまいます。

つまり、マンションの売却価格は管理費と修繕積立金が適正価格で管理も行き届いている物件の方が高く売れます。

賃貸と売却どちらにすべきか

内装リフォームのイメージ写真

マンションはリセールバリューが高いため、まとまったお金が必要・すぐに処分しなければならない事情がある等でなければ、賃貸に出すというのも一つの手です。

更新時や空家になった際に再度売却を検討できますので、借り手がすぐみつかるのであればなるべく長期間貸した方が総額ではお得になります。

しかし退去時に原状回復をしてもらった(敷金から差し引き)としても、お風呂・洗面所・キッチン等の水回り、壁やフローリングなどは徐々に劣化していきます。

賃貸に出してから売りに出す際、万が一フルリフォームが必要となれば、累積賃料以上の負担が発生する恐れも十分に考えられますのでご注意ください。

また、空家が続くと管理費・修繕積立金をご自身で負担せねばならなくなってしまうという点も賃貸運営の大きなリスクです。

売るか貸すかで迷った際は、家賃相場を調べるのはもちろん、マンションや近隣の入居率(需要)やその時の浴槽・トイレ・キッチン・フローリング等の状態を考慮して検討しましょう。

賃貸に出すためにリフォームをし、なおかつ近い将来売る見込みがあれば最初から売りに出した方が賢い選択かもしれません。

不動産査定会社では、賃貸・売却どちらの方が良いか、リフォームをすべきか等の相談にも対応しています。

リフォームの見積りなども含めて、悩んでいる事があればまずは専門家に相談して見解を聞いてみましょう。

ビジネスマンのイラスト

土地の査定ポイント

空き土地のイメージ写真

その地域の坪単価相場がわかれば、売却物件の坪数を掛けるだけで簡単に概算額を算出できますので、土地は建物に比べて計算が比較的容易と言えます。(坪単価の相場は路線価や固定資産税評価額から調べることができますが、現在売りに出ている土地物件やレインズに掲載されている取引履歴を見るのが一番簡単かつ早いです。)

建物がない分、土地は近隣物件との単価の差が出にくく、不動産査定でも相場が明確化されていると言えますが、当然相場から加減点されるポイントもありますので、念のため覚えておくと良いでしょう。

土地の査定額の加減点

不動産の価格は立地が最も重要であると繰り返しお伝えしてきましたが、土地についてはそれがより顕著に表れており、さらに「土地の形」も査定額に大きな影響を及ぼします。

具体的には、以下の項目があると加点又は減点が生じる可能性がります。

加点対象となるもの
  • 高い階層が建てられる
  • 角地
  • 小学校や公園が適度に近い
  • 大型ショッピングモールが近くにある
  • 都市開発が進んでいる
減点対象となるもの
  • 居住用建物が建てられない
  • 日当たりが悪い
  • 騒音が大きい
  • 近隣施設に難がある
  • 土地が狭く建築条件が悪い
  • 処分しないといけない建物がある

まず「居住用建物が建てられない」とは、土地の地目が宅地以外のケースです。

宅地以外の地目では田や山林等が多く見られますが、市街化調整区域(都市開発を積極的に実施しないエリアのこと)の場合は宅地への転用が認められない可能性もあります。

また、土地にはそれぞれ「建築できる高さ」が決まっており、高く建築可能な土地であればあるほどその価値は高くなります。

このように、近隣や日当たり、建築条件の環境でも相場やリセールバリューが変わってきます。

旗竿地や竹林がある場合の査定

住宅のその周りの旗竿地や竹林がある場合のイメージ図

旗竿地とは、建物に行くまでに狭い通路を通らないといけないなど、名前の通り旗の形状になっている土地のことです。

旗の棒にあたる狭い通路の土地面積は通常の坪単価より割引されて計算されますので、同様の坪数の近隣物件に比べて低く査定されてしまう可能性があります。(※通路の幅が3m以上ある場合は、車を停められる・自転車置き場にできるなどの活用方法があるため査定減点幅は低くなります。)

竹林の写真

また、土地は広いほど不動産価値が上がるのが一般的ですが、竹林など一切活用方法が無い土地が付いている場合は逆にマイナスになる場合があります。

竹林は特段使い道がないにも関わらず固定資産税の計算が高くなる上、夏は虫、冬は落ち葉など住宅環境に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

そのため、竹林は残念ながら査定額が低くなるケースが多くなっています。

建物付きの土地の場合

古い住宅の外観写真

土地は更地販売の方が高く売れますが、建物を残して売るというのも一つの手です。

通常、古屋が残っていると解体料相当が減額されますが、建物や建築条件に付加価値がある場合は減額されないケースもあります。

建物の基礎や柱がしっかりしており十分住める状態であったり、建て替えると建物が小さくなってしまったり(用途地域が変更されたなど)する場合は、あえて古屋付きの土地として売った方が高く売れるかもしれません。

また、将来的には土地を売りたい・残しておきたいという方は建物だけを販売し土地は賃借権を設定するという選択肢もあります。

ただし、建物について責任(瑕疵担保責任等)を負うという点には注意せねばなりません。

瑕疵担保責任を排除するなど、状況に応じたリスクヘッジが必要です。

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店舗物件の査定について

改装店舗の外観写真

店舗物件は状況によって売却時の査定価値・リセールバリューが大きく変わってきます。

逆に言えば「高く売るためにできること」が多いのも同物件の特徴であり、知っているか知らないかで大きな差が生じてしまう可能性も否定できません。

立地や土地、建物の築年数以外にも影響する店舗ならではの査定基準のポイントをまとめました。

Point1 物件用途が重要

店舗の内観写真

店舗物件の査定では、まずは既存テナントにどのようなお店が入っているのか又はどのようなお店を開くことができるのかを知る必要があります。

飲食店や小売店向けの店舗物件の場合、テナントとしての需要が高いため、賃貸目的で購入する方が多いためです。

また、これからお店をはじめようとする方の中には、賃貸ではなく自己所有で運営をお考えの方もいらっしゃいます。

いずれにせよ集客効果を見込むには「立地」が大きなカギとなり、賃貸物件として活用するのであればより同項目が重要になると言えるでしょう。(駅チカや集合住宅に囲まれている、幹線道路沿い、近隣に大企業があるなど、集客が見込める店舗は評価が高くなりやすいです。)

逆にオフィスとしての利用・宅配サービスの拠点等が用途になる場合は、賃貸需要が低いため、立地はさほど重要となりません。

Point2 設備による評価アップ

店舗の水回りの写真

店舗物件を売る場合は、設備を全て撤去する(所謂スケルトン渡し)のが一般的でした。

しかし、近年では設備をそのまま有効活用する居抜き物件の需要も増えており、居抜き専門の不動産会社も登場するほどです。

立地が悪いと査定も低くなりやすいのが原則ですが、オーナーが「味で勝負したい」という意向を持っていた場合、立地よりも設備や住宅の多さ・建物の劣化具合等が重視される傾向にあります。

また、ガソリンスタンドなどは設備に高額な費用を要しますが、サービスに大きな差が生じ辛いビジネスであるため、儲からずに撤退したのであれば次も失敗する可能性が大です。

したがって、このようなケースで空き物件となった場合は店舗としての価値が低いと判断される可能性がありますが、儲かっているお店が高齢や体調不良のために閉店したというケースであれば査定額が下がらないこともあります。

Point3 古い店舗は買取がおすすめ

古い店舗の内観写真

古い店舗物件は比較的安く手に入るため、法人や個人事業主、投資家などからの人気が高いのですが、あまりにもボロボロだとリフォームや設備にお金が掛かってしまうため、買い手が付きにくいです。

不動産会社に直接買い取ってもらう場合、当初から手直し・リフォームをした上で販売することを予定しているため、ボロボロであってもさほど問題とはなりません。

店舗物件は住宅に比べて維持費が高く、長期間売れ残ってしまうとその分のコストがかさんでしまい、仲介での販売はリスクが高くなってしまうと考えます。

「営業を続けながら売りに出す」という方法もありますが、店舗物件を購入する方は営業開始時期を考えた上で購入するケースが多いため、退去まで時間が読めない物件は嫌がられる傾向にあります。(テナントが入っている投資向け物件を除く)

最初から業者に売ってしまった方が最終的な手取り額が多くなる可能性がありますので、店舗物件に強い不動産会社の直接買取も視野に入れると良いでしょう。

店舗物件は通常の居住向け物件に比べて高額売却のためにできることが多いと言えます。

査定基準は「テナント向けか自社所有の事業用向けか」「既存設備の状況」「不動産会社の営業スタイル」等で不動産査定額が大きく変わってきますので要注意です。

まずは売却予定の店舗の立地や活用方法などを分析し、どのくらいの需要があるのかを確認してみると良いでしょう。

ガッツポーズをするビジネスマンのイラスト

投資用物件の適正価格とは

ビルが立ち並ぶ風景写真

投資物件の不動産査定やリセールバリューは、その地域の居住用物件の坪や平米単価だけではなく、どのくらいの収益が見込めるのかによっても大きく異なります。

投資用物件では「収益還元法」が主に用いられ、投資家が得られる収益(家賃収入など)と利回り、そのエリアの相場情報などを踏まえて算出されます。

なお、収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があり、それぞれ計算式が異なります。

次項では居住用物件の違いをはじめ、収益還元法の計算式、投資用物件を高く売るためのポイントや査定方法について解説してまいります。

住居と査定基準は大きく異なる

投資物件は、不動産査定の中でも査定基準とリセールバリューが特殊です。

通常のマンション・戸建ての場合は取引相場や地価相場が基準になりますが、投資物件の場合は前述した通り収益還元法によって評価します。

投資物件の収益方法には、

大きく分けてインカムゲイン(家賃収入で利益を得る)とキャピタルゲイン(売却益を狙う)の2つがあります。

キャピタルゲインを狙う場合は当該物件の将来価値が上げるとの見込みや長期的な展望が必要になるため、インカムゲイン(賃貸収益)を狙うスタイルが一般的です。

なお、居住目的やインカムゲイン目的で購入した物件が、地価の上昇で結果的に取得価格より高く売れることもありますので「賃貸収益を狙いつつ将来の売却益も狙う」という方も多くなっています。

単身世帯かファミリータイプか

一棟所有の不動産投資もありますが、個人でローンを組める金額を考えるとマンション投資(区分所有)が一般的と言えます。

インカムゲイン狙いの投資物件(居住用物件)としては、ワンルームタイプとファミリータイプが代表的で、1K・1DK・1LDKなど1人暮らし向けの物件がワンルームタイプ、2DK以上の物件はファミリータイプに分類されます。

単身世帯の部屋写真

ワンルームタイプの投資物件は取得費用が安く利回りが高いメリットがあり、空室になってもすぐに借り手が見つかりやすく、不動産投資に適した物件です。

家族世帯の部屋写真

一方、ファミリータイプは長期利用となりやすいというメリットがありますが、取得費用が高く、利回りもワンルームタイプに比べて低いと言えます。

収益還元法による算定

冒頭でもお伝えした通り、投資物件の査定では収益還元法が多く用いられています。

収益還元法は直接還元法とDCF法の2種類がありますので、それぞれどのように計算するのかについては知っておいても損はありません。

直接還元法

「年間純収益÷還元利回り=不動産価格」によって算出する方法です。

年間純収益とは、年間の家賃収入から管理費・修繕費・税金・損害保険料・空室等損失相当額等を差し引いた金額です。

例えば家賃が10万円だと年間で120万円の収入があり、管理費と修繕費が月々各5千円ずつ、税金・保険・空室損失を年間8万円と仮定(合計で20万円の経費)すると、差し引きした年間純収益は100万円となります。

還元利回りは当該地域や近隣物件の利回り相場が基準になるのですが、エリアごとの利回り相場等を検索することができるサービス(HOMES不動産投資など)もありますのでこちらを参照すると良いでしょう。

仮に還元利回りが7%とした場合は「100万円÷0.07(7%)=14,285,714円」となりますので、当該金額よりも安く購入できれば割安、当該金額よりも高く買った場合は割高と判断することができます。

なお、還元利回りが低いほど収益還元価格は高額となり、同じ条件で還元利回りが4%だと「25,000,000円」となる計算です。

DCF法

DCF法とはディスカウント・キャッシュ・フローの略語で、保有期間中(将来)に得られる純利益と期間満了後の売却によって得られる想定価格(復帰価格)を現在価格に割引して合計して算出する評価方法で、簡単にいうと家賃収入だけではなく売却益も視野に入れた上で計算する方法です。

ポイントになるのは、やはり「現在価格に割引する」という点ではないでしょうか。

仮に取得時の家賃が10万円であっても、5年後には10万円では貸し出せないかもしれませんし、逆に円の価値が下がり10万円以上で貸し出しているかもしれません。

そのため、DCF法では毎年割引率を掛けた上で家賃収入を計算し、最終的にどのくらいの価値となるのかを算出してゆきます。

具体的な計算方法は「年間家賃÷((1+割引率)×年数の乗) = 割引現在価格」で、年数の乗は1年目…1乗、2年目…2乗といったように係数をかけていき、保有期間が長いほど、割引率が高くなっていきます。

例えば、年間100万円の家賃収入を10年受け取り10年後に1,000万円で売った場合、合計で2,000万円を受け取ることができる計算になりますが、DCF法(年間割引率3%で算出)を使うと以下の計算になります。

1年目 100万円÷((1+0.03)×1乗) = 970,874円
2年目 100万円÷((1+0.03)×2乗) = 942,596円
3年目 100万円÷((1+0.03)×3乗) = 915,142円
4年目 100万円÷((1+0.03)×4乗) = 888,487円
5年目 100万円÷((1+0.03)×5乗) = 862,609円
6年目 100万円÷((1+0.03)×6乗) = 837,484円
7年目 100万円÷((1+0.03)×7乗) = 813,092円
8年目 100万円÷((1+0.03)×8乗) = 789,409円
9年目 100万円÷((1+0.03)×9乗) = 766,417円
10年目 100万円÷((1+0.03)×10乗) = 722,438円
売却価格 1,000万円÷((1+0.03)×10乗) = 7,224,389円
14,871,799円

このように割引率が3%だと10年間で約513万円が割引されることになり、計算式は少々複雑ですが、現実味があり、より精度の高い計算方法と言えます。

ただし、当該計算には経費や空室リスクが考慮されていないため、予想収益よりもさらに安い金額で購入しなければなりません。

また、保有期間を何年で計算するかによっても金額が大きく変わってきます。

近年は低金利化が進んでおり、より割引率が下がるため売却の際の条件が良くなりやすいです。

投資物件売却は専門の会社へ

指差すビジネスマンの写真

投資物件は、上記のように居住用物件とは異なる評価方法を用います。

DCF法ではあくまでも「将来の想定」となりますので、不動産会社側が示す根拠や信ぴょう性が何よりも重要です。

「この会社から買いたい」「この会社に売りたい」と思ってもらえるかどうかがカギとなりますので、投資物件であれば不動産投資を専門に扱う会社に任せることを強くお勧めいたします。

投資物件に強い業者を中心に、複数社から話を聞いてみると良いでしょう。

不動産のプロから「この物件は人気が無い」「収益が期待できないため安くなる」などと言われてしまうと、確かめもせずについつい納得してしまいがちです。

不動産査定・売却は多くの方にとって人生で一度あるかないかの大きな取引であり、万が一適正な評価額で買取してもらえなかった場合は大きな損失となってしまいます。

正しい知識を身につけるとともに、しっかりと査定しくれる業者を選ぶということが大切です。

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